Anker Mag Goのモバイルバッテリーが全くそそられないわけ

先日、AnkerJapanから新しくMagGoシリーズが発表された。
すでに米Ankerからの発表があったことで知ってはいたが、これがとても期待外れだったので記事を書こうと思う。


高かった期待値

色々な記事で書いているように、僕は過去にAnkerがイベントで発表していた「PowerCore Magnetic 5000 7.5W」という製品に期待していた。
現在僕が使っている「PowerCore Magnetic 5000」の完全な上位互換であり、出力が高く、何より薄い。

しかし、今回発表されたMagGoシリーズのバッテリー「Anker 622 Magnetic Battery (MagGo)は似て非なるものとなってしまった。
残念ながら、コスパを考えると圧倒的にPowerCore Magnetic 5000の方がいい。


そこまで進化していない薄さ

この製品、従来製品より20%薄型化したらしい。

PowerCore Magnetic 5000は厚みが16mmで、進化した結果が13mmである。

先ほどの記事で紹介されているPowerCore Magnetic 5000 7.5Wはエッジに緩い丸みを帯びて薄く見えるのもあるが、11mmまで薄型化されている。なぜ分厚くなってしまったのか。
本来であれば32%ほど小さくできたのに。薄さは正義だ。改悪としか言えない。


ファブリック素材の不採用

PowerCore Magnetic 5000 7.5Wは、本体と触れ合う部分にファブリック素材を採用していた。
本体やケースの傷を防止するといった実用的な側面と、高級感という製品のブランディングという側面で非常に評価したい内容。
カバンに雑多に詰め込んだ時もガチャガチャ音が鳴らないし傷もつかない。最高の製品の期待ができた。

しかし、MagGoは当たり前のように不採用にした。量産コストが合わなかったのだろうか。大変残念に思う。


スタンドの採用

最もがっかりしたのはこの内容だと思う。
Ankerはユーザビリティに気を配った非常に素晴らしい企業だが、その方向性を大きく間違えた結果と言える。

僕個人で言うと、日常的にMOFT SnapOnを使用している。そのため、基本的にはスタンドを持ち運んでいるのだ。
既に使用しているPowerCore Magnetic 5000を使用する際、貼り付ける場所を失ったMOFTを持て余すことに困っている。

それなのに、Ankerはさらにスタンドを増やして持ち物の重量を増やした。こんなのなら、PowerCore Magnetic 5000の背面にスチールプレートを貼っても代用できる

Ankerに求めているのは薄くて、早く充電できる容量の大きいモバイルバッテリーだ。余計な機能をつける必要はない。
この機能のせいで、PowerCore Magnetic 5000 7.5Wのリリースができないことへの、言い訳のような製品に見えたのだと思う。

ちなみに動画を見ながらワイヤレス充電なんかしていると全く充電が進まない。画面を消してポケットの中で充電するべきだ。


圧倒的な価格差

執筆している2021/11/30現在、AmazonでBlack Fridayが開催されている。
セール価格ではあるが、従来モデルのPowerCore Magnetic 5000はなんと3,143円、Anker 622 Magnetic Battery (MagGo)は5,990円と倍ちかい価格差がついている。

僕自身、PowerCore Magnetic 5000は前回のセールで購入した。安かったから。
なのに、新製品となるとびっくりするくらい強気の価格で出している。正直な話そこまでの魅力はないように思える。
従来機種に比べてスペックの差は薄さ(3mmだけ)とスタンド(そこまで必要ない)と、苦し紛れの7.5W対応だ。

MagSafe関連においては出遅れ続けてきたAnker。
「しかしAnkerはやってくれる」と思いながらずっと追いかけていたが、あまりにもひどい結果が出てしまっている。この製品は辛い戦いになるだろう。


今最も買うべきMagSafeモバイルバッテリーはAnkerとは言えない?

間違いなく、今買うべきはAnker 622 Magnetic Battery (MagGo)ではない。
では何が最もいいのか?それは価格の下がったPowerCore Magnetic 5000もしくはBelkinのMagSafeモバイルバッテリーだ。

充電速度が5wで十分、バッテリー容量が5000mAh欲しいなら前者を。7.5wでそこまでの容量が必要ないなら後者のBelkinを選ぶべきだ。
BelkinはApple Storeでも扱われるほどMagSafeについては充電業界でリードしている。
デザインもシンプル、薄さも13mmとMagGoと同じだ。価格も4,000円程度で比較的手頃。
もし万が一Ankerが会心の一撃を放ってもそこまでショックは大きくない。使い分けができるレベルと言えるだろう。

この記事が、今MagSafeのモバイルバッテリーで迷っている人の助けになれば嬉しい。
僕はPowerCore Magnetic 5000で耐え凌いで、出ないかもしれないAnkerのPowerCore 5000 7.5wを待ち続ける。


ちなみにこれも、あと3,000円安ければいい製品だったかもしれない。それでも7.5wは許せないし、15wにして欲しい。
MagGoシリーズをプロデュースした人はもう少しユーザーに寄り添うべきだ。