今は、これ以上が思いつかない。
いつだったか、僕はPeak DesignのEveryday Back Pack V2をレビューした。
あの時は本当に最高のバックパックだと思っていたけど、仕切りだとか、内容物の一覧性に不満があってもっといいバックパックはないのかと検索し続けていた。そんな時にちょうどこのバックパックがKickstarterに出ていた。Peter Mckinnonは好きだったこともあって、コレクションのような気分で購入した。
もともとそんなに使うつもりではなかったのだけれど、実際に手にすると不思議なもので、結局毎日このバックパックを背負っている。
結論から言うとこのバックパックは現状とても良い。不満がないというよりも、僕がまだ使いこなせていないような感覚を覚える。
今僕は、PeakDesignを「ああ、いいバックパックだったよ」と卒業したかのように思っている。次のステップにいるような気分で答えるだろう(実際、モノに優劣はないからそうではないのだけれど)。
それほどにいいバックパックなのだ。
ただし、結局この記事でどんなことを書いても日本での代理店がないため原則個人輸入が必須だ。
今回はNomatic Japanがこのバックパックを取り扱ってくれることを願って、このリュックを紹介していきたい。
1,Peter Mckinnon x Nomatic Camera Back Packとは
平たく言ってしまえば、超人気Youtuberでもあるカメラマンと鞄屋さんのコラボバックパックだ。
このEverydayシリーズの前にも一度あり、このプロジェクトが2回目となる。
カメラバッグの中でもかなり特徴的な、ラダーシステムを搭載している。内部のインナーバックごと切り替え、バックパックの内部を入れるものに合わせて構成することができるという特徴がある。
そのほかにも丈夫だったり、色々と特徴はあるのだがそれは追って外観を見ながら話していきたい。
何よりも需要な点だが、僕はこれを購入したのはKickstarterだ。2021年の4月に購入した。当時はクラウドファンディングだった上、1ドル110円程度。執筆現在は132円。当時199ドルだったから22,000円程度で購入できたものが、今は26,268円。さらに製品となっている以上さらに金額が上がっている。nomatic.comへ直接アクセスして確認したところ、内部のキューブなしで40,429円。買えたものではない。
ただこの金額を見てしまうとAmazonでの無茶苦茶な金額も、関税と送料を含めると妥当かもしれない。
国内でこれからカメラバッグを探す人には、さすがにPeakDesignやWANDRDをお勧めする。
ちなみに国内のNOMATIC製品は株式会社ASKさんが輸入代理店を行っている。なんとかしてこのカメラシリーズも扱って欲しい。ちなみに、キャンプグッズの中でも品薄で有名なゴールゼロもASKさんが代理店だ。
2,堅牢でスッキリとした見た目
ここからは外観を見ていきたい。まずこの製品の特徴的な正面から紹介しよう。
使われている素材はナイロンベースの撥水素材。WANDRDのターポリンよりもさらに軽く、薄めの生地を使用している。
また、シンプルな正面には一つもポケットがない。それというのも、「バックパックは背中からおろすと正面が下に来る」からだ。地面に設置する面が下に来ている以上、ポケットは必要なく丈夫であればいいということらしい。非常に合理的な考え方に基づいていると思う。
モールシステムのような部分も正面と側面にあり、アクセサリーをつける部分も豊富だ。
側面にはマグネット式のペットボトル・三脚ホルダーがある。使用しないときはマグネットでピッタリと側面に張り付いてくれるため、見た目がかなりスタイリッシュになる。
もちろん素材は全て同じで、非常に丈夫かつ耐水性が期待できる。かなり使用しているためもちろん雨でびしょびしょになったこともあるが、浸水は一度もない。雨の中20分自転車を漕いでも全く浸水はなかった。防水に非常に近いだろう。
背負う部分にはしっかりとクッションが入っている。さらにこのクッション、厚みがあるため形状を維持するためにも1役買っている。
底が完全にフラットかつ、背板がまっすぐということから自立して倒れない。
3,ラダーシステムは想像力が試される
背板の部分を開くと、内部が出てくる。前述したラダーシステムだ。
僕は基本的にスモールキューブを二つ使用しており、3階建てでの内容が多い。
横幅は2.8/70-200 GM OSS IIよりも少し大きいくらい。縦幅はレンズの口径が82mmでも余裕で入る。
僕はよく、このスモールキューブを入れ替えることで望遠が必要か否か変更している。
一番上のEVAが入ったフタは、この状態で手前に引っ張っても開く。
パッキングをするときはかなり優秀だが、実際に使用している上ではあまり使っていない。
3階建てにしているとこのトップのアクセスはクイックアクセスのような場所になる。いつもはここにカメラボディ+60mmもしくは28-70 f2.8が入っている。
スモールキューブを1つだけにする際、ここにスモールキューブを上向に入れることがある。そうすると70-200をつけた状態のボディを入れることができる。
Peter Mckinnon本人がやっていたためやってみているが、なかなか実用性が高いためもし持っている人がいればやってみてほしい。
このラダーシステムは本当に奥が深く、どうやっても結局はいるけれど「どれが最も効率がいいのか」や「どうすれば取り出しやすいか」「どうすればより早く取り出せるか」など、入れ方の工夫の幅が非常に広い。
25Lという容量も絶妙で、なんでも考えなしに入れられるサイズではないけれど、思ったよりも入る。欲張ってはいけないというところもかなり難しい。
4,どこにでもとりあえず持っていける安心感
バックパックに求めらることを究極に突き詰めると「保護」と「容量」だと思う。誰でも無傷で大量のものを運びたいから、バックパックを背負うのだ。
その2点において、このバックパックは今までの中で最も素晴らしい結果を残している。
保護においては外壁+内部のキューブの二重構造。急ブレーキした車の中でこのバックパックが転がっても、内部は何一つ問題がなかった。雨の中自転車を漕いでも、止水ジッパーと表層の生地は浸水を許さなかった。
これだけしっかりとしたバックパックなら、相当のことがなければ内容物は安心だろうと思う。
容量においては、毎日持ち運ぶという制限付きの中で最大限の25Lだと思う。これ以上大きいと毎日は厳しい。
その中でラダーシステムという様々なものに合わせられるシステムは、個人的に非常に高く評価したい。
2021年の5月から使い始めてそろそろ1年経とうとしているが、全く使いこなせている気がしない。
使っている自分にとって何が最適なのか、どうしたらより自分に合わせた状況になるのか。それがわかれば、このバックパックはその形にカスタマイズができる。
可能であれば、これからも長く使っていきたいバックパックだ。