ミツハシです。
今回は、カメラ周辺機器の中でも高級ブランドの部類に入る、「Peak Design(ピークデザイン)」のカメラバッグ、「Everyday Backpack V2(エブリデイバックパックV2)」をレビューしていきます。
この半年、プライベートでも仕事でも、外出する日はほぼ毎日背負っています。
そんな実際に使い倒して心の底から思った本当にいいと思えるところと、残念なところを、紹介していきます。
書いていったら合計で伝えたいポイントが13点もありました。
先に記載しておきますが、僕は購入して非常に満足しています。
そんな僕から、購入を検討されている方にぜひ読んで欲しいです。
1,Peak Designとは
2010年、アメリカ・キックスターターで資金募集を成功させ、一躍その名を世界の写真業界に轟かせたピークデザイン。そのプロダクトとして世に登場したCapture Camera Clipは、創業者Peterのアウトドアでの撮影時の不満を解消するための画期的なものでした。 「スキーをしながら写真を撮りたいと思った時、止まり、ストックを地面に刺し、バックパックのストラップをはずし、降ろし、カメラを取り出す。撮り終わったらその逆・・・毎回そんなことはしていられなかった。撮りたいと思った瞬間はあっという間に去ってしまう。」 彼はその経験から、いつでもすぐに簡単にカメラにアクセスでき、かつ安全にそれを持ち運ぶ方法を考え、デザインし、プロダクトにしました。多くの同じ悩みをもった世界中の人たちから、資金提供を受け、製品化に成功し、現在このCapture Camera Clipはバージョンアップして、アウトドアフォトグラファーをはじめとして世界中の人たちに愛されています。 きっとあなたのフォトライフも、ピークデザインのプロダクトとともに、更に豊かになることでしょう。
https://www.ginichi.co.jp/brand/peakdesign/
上記はPeak Designの日本正規代理店、銀一株式会社さんのHPに記載されている企業紹介です。硬い文章ですけど、僕がわかりやすく紹介すると、
使いやすく、質の良いカメラギアを次々とリリースして販売する挑戦的な企業という感じです。三脚なんかは本当に分かりやすいのですが、今までの常識を変えてくれるような製品も多いので、個人的にはすごく好きです。
さらに素晴らしいことに、製品全てに生涯保証がついています。
Peak Designの製品は「良い製品」ではなく「最高の製品」だからだそう。自信がすげえ。
2,Peak Design Everyday Backpackとは
数々の賞を受賞した象徴的なパックであるEveryday Backpackは、アクセス、整理、拡張、保護を中心に作られています。独自のMagLatchハードウェアにより、トップからのアクセスは非常に速く、2つの耐候性UltraZipsによるデュアルサイドアクセスも可能です。
内部には3つのFlexFoldディバイダーがあり、ギアを整理して保護し、バッグの底に溜め込むことはありません。15インチまでのラップトップ、タブレット、書類を収納できる専用スリーブと、小物を収納できる様々なスリップポケットを内部に装備。100%リサイクルの400D耐候性シェルがすべてを安全に保ちます。
https://www.peakdesign.com/collections/everyday-bags/products/everyday-backpack?variant=29743300771884
Peak Designの中でもバックパックといえばこの「Everyday Backpack(エブリデイバックパック)」が最も有名だと思います。
現行のこのモデルはV2です。V1はKickStarterで公開・その後販売されました。
V1からV2へのアップデートは、公式のアナウンスとしてマイナーアップデートでしたが、実際には「大まかには同じだけど細かい部分をほとんど変えたよ」という感じです。
(これによって賛否両論ですが、個人的には必然的かなと、、、)
サイズは20Lと30Lの2種類、色は20Lが4色(ブラック、チャコール、アッシュ、ミッドナイト)、30Lが3色(ブラック、チャコール、ミッドナイト)です。
そんな「Everyday Backpack」ですが、僕が購入して使用しているのは「Everyday Backpack V2 30L」です。色はチャコール。最後までブラックと悩みました。
3,購入した理由と経緯
カメラバッグを購入するとき、条件がいくつかありました。
- 毎日の使用に耐えられる強度・持ちやすさを有している
- カメラを簡単に取り出すことができる
- 中に入っているものがしっかり保護できる
- PC,iPadが収納できて仕事でも使える
- 収納量がそこそこ多い(仕事の時もカメラを持ち運びたい)
- 内部の仕切りをフレキシブルに変更できる
- 見た目がかっこいい(モチベーション的に)
この条件を満たすもので、日本語のサイトで探したところ、2つに絞られました。
1つはWANDRD(ワンダード)のPRVKE(プロヴォーク)シリーズ、31L
2つ目が今回購入した、「Peak Design Everyday Backpack V2 30L」でした。
(ちなみに執筆中に新しいPRVKEが発表されました。41Lは旅行用に魅力的、、)
決め手となったのはサイドアクセス。Peak Designは両サイド、WANDRDが左サイドだけだったということです。常に右側からカバンをおろしているので個人的に重要でした。 習慣なので正直モノに合わせて変えられるとは思うのですが、せっかくなので自分の体にあったモノを選びました。
お金があれば両方買ってました。WANDRDの製品も本当にかっこいい。
4,実際に使ってみてわかった良いところ
そして購入して半年がたった今、外出する際はほぼ毎日、「Peak Design Everyday Backpack V2 30L」を背負っています。本気で使い倒している中でわかった良いところを紹介していきます。
内容が多いので、端的にテンポよく、画像多めで紹介していきます。
1.容量が変更できる。
通常の状態から、段階的に容量を変更することができます。
これによって、ギリギリ入るかわからない、、ということがほぼありません。
入れているもの+出先での買い物分は追加容量で、というような使い方ができます。
大容量が必要ない時はスタイリッシュにまとまってくれるのはありがたいですね。
2.ものを取り出すのが非常に簡単
このリュックのメインの収納部分へは、3箇所からアクセスが可能です。
これによって、取り出したいものを最短の時間で取り出すことが可能です。本当に素晴らしい。
さらに、取り出し口1と2のサイドアクセスは、地面に置くことなく取り出すことを可能としています。実際に使用する上でも、ストリートスナップなどでのレンズ交換等、この利点はかなり大きいです。
3.胸のところの金具が天才的
この金具がすごい。
このベルト、チェストベルトっていうらしいんですが、この金具によって使用が非常に簡単で素晴らしいです。
今まで使ったことがなかったのですが、片手でできるつけはずしの簡単さと、使わないときのしまいやすさから、なくてはならないレベルで使っています。これだけで体感の重さが3/2くらいまで軽くなります。
4.背負う部分がとても良い
すごい雑な書き方ですが、細かく言うと3点になります。
まず、付け根部分が稼働し、背負う人にあった状態になる。
ちなみにこの稼働によって、立ったままサイドアクセスを開ける際も使いやすくなると言う話。
次に、背負わない時に磁石でまとまってくれること。
さらに、この状態でキャリーケースに固定できると言うことです。
背負いやすくて、使わない時はまとまってくれます。出張が多い人やフリーアドレスの人にはかなりおすすめです。
5.他のPeak Design製品との連携
当たり前ではあるのですが、他の製品との連携が完璧です。
カメラを簡単につけ外しできるCaptureはチェストベルトの金具に干渉しませんし
テクポーチはジャストサイズで入ってくれます。
ちなみに、いろんなガジェットポーチを探しましたがテクポーチほどジャストでこのリュックにあうものはありませんでした。悩んだらこれを買うべきです。
6.外見がかっこいい
選定基準のひとつでした。本当にかっこいいと思ってます。
Everyday Backpack ZIPと言うモデルもありますが、個人的には断然Zipよりも通常盤派です。
ここの金具とデザインが、かなり好みです。本当に。
7.保証
前述したように、Peak Designの製品は「生涯保証」がついています。
これによって、早い話「使い倒すことに抵抗がなくなる」わけです。
流石に無理なことをやって良いことにはなりませんが、いつでも持ち歩く、どこにも持っていける、耐久性を考えない運用もしていけます。この安心感は、他にはありません。
5,実際に使ってみてわかった残念なところ
購入して半年、毎日使っていると良いところだけでなく、残念なところも見えてきます。
使わないとわからなかった残念なところを挙げていきます。
1.内部の柔らかい仕切り布が原因のスペースの取り合い・衝撃に対する不安
これが正直、一番使い始めて残念でした。
このリュックに多用されている、伸縮性が高い布があります。非常に手触りがよくて、「あ、これは新しいし良い感じだな」と最初は思いました。
サイドアクセスにも使われています。磁石で閉じるタイプでスタイリッシュ。しかし、これが使われている最悪な部分があります。それがここです。
これは背中に一番近いPC・タブレット・小物をいれる部分。この部分にも同様の素材が使われているのですが、、
なんとメインの収納部分との隔たりがこの布一枚です。このせいで小物入れに鍵やらなんやら入れているとメインの収納部分がどんどん圧迫されていきます。
メインの収納部分といった限られたスペースを、各収納口から取り合いする構図に。
さらにフタ側にある収納も。上からのアクセス部分は、小物を入れすぎる人にとって広いスペースではないと言えるでしょう。
(僕はこれによってメモ帳が真っ直ぐ入れられないというストレスが辛い。)
このバックパックは外見がスタイリッシュにまとまっている分、内部の限られた空間をギリギリまで取り合う形になってしまいます。
ポケットの数だけ、収納スペースが増えるわけではありません。
さらに続きます。この素材の中に硬いものをいれると、内部のものを傷つけるんじゃないかと思うくらい飛び出てきます。
後に記載する、3番と合わせて不安の種です。
2.ジッパーの開けづらさ
いろんな人がいろいろなところで記載していますけど、この形のジッパーが場合によってスムーズに開きません。
特にこの曲がり角で引っかかります。
内部がパンッパンに詰まっている時はあまりないのですが、スカスカの時は頻度が多い印象です。ひっかかると防水の部分がちょっとづつ剥がれます。
3.開けるときやキャリーケースに載せたときの構造的な不安
このリュック、地面におかなくてもサイドアクセスからものを取り出すことができますが、地面に置いてものを取り出すことも少なくありません。
地面に置いて取り出す時や、キャリーケースに乗せた時、基本的にはこの形で運びますよね。
この時、ここにめちゃめちゃ負荷がかかっていると思いませんか。
特にキャリーケースに乗せた時、地面の段差で跳ねたりするとちょっとひやっとします。
さらにこのポイント、1に記載した薄い伸縮性のある布問題と合わさると僕が使ってるα6600の液晶なんかはガッツリ当たると割れるんじゃないかと思います。もし購入した場合は、いれるもの・配置には充分に注意した方が良いと思います。
4.ペットボトル入れるときにめっちゃ入れづらい
このカバン、内部にレンズやカメラをつめた状態だと三脚・ペットボトルホルダーが非常にきつくなります。
人によっては大したことではありませんが、個人的にはもうちょっと伸縮して欲しかった。
いれるときに結構内部に圧力かかってそう。
キャリーケースを使用する際は、ここにペットボトルいれると取れないor押しつぶすorそもそも入れられないの三択です。これも、地味に辛い。
5.ジッパーロックが勝手に外れる
直接的にこれで被害があったことはありませんが、この部分のジッパーロックが勝手に外れてることがあります。ちょっと不安。
6.仕切りの幅が決まっていることで生まれるデッドスペース
Peak Design製品のバッグは、基本的に折り紙状のディバイダー(仕切り)で仕切られています。
この折り紙のようなディバイダーですが、好き・嫌いでいうと好きなのですが、一般的なカメラバッグに比べてデッドスペースが多くなるというデメリットがあります。
特に、毎日使う人間からするとできる限り多く荷物が入って欲しいのですが、どうしてもこのデッドスペースを受け入れないといけません。
合わない大きさのレンズをいれるとこうなります。遊びができる上に他のものを入れられない。
これは少し極端な例ですが、いれるものが大きすぎても小さすぎてもデッドスペースができます。もっと入れたい気持ちがあるのに。
最善策はテクポーチやレンズケースのようなポーチ式で入れていくのだと思いますが、そうしないためのカメラバッグなのに、、、という矛盾を抱えてしまいます。これは残念。
6,こんな人は買った方がいい
ここまで、実際に使ってわかった良いところと残念なところ、大量に記載していきました。
読んだ人だと「え?そんなに残念なところあるの?」という人も多いかと思います。
しかし、一番最初に書いたように僕はこの製品を購入して非常に満足しています。
それはダメなところよりも良いところの恩恵が大きいからです。
残念な部分は使い方でカバーできます。いれるものを減らしたり、干渉しないように入れ方を決めています。
現状、僕はカバーできていますし、カバーできているから毎日信頼して使っています。
それも踏まえて、こんな人は買った方がいい・買って後悔しないという人を想像してみると、この中に当てはまる人かな、と思いました。
- バッグの中身をその日の目的によって入れ替える人
- カメラバッグの中身がそんなに多くない人(18L以下)
- とにかくスピーディにカメラをバッグから出したい人
- 生涯保証で安心してバリバリ使い倒したい人
- 高くても上質な製品を長く使う人
- このバッグの外見がめちゃくちゃに好みな人
- Peak Designが好きすぎる人
正直複数当てはまる人は、全然購入して満足すると思います。カメラを持っていない人でも、当てはまっていれば使用して満足できる内容だと思います。
そういう人であれば、きっとこのバックパックに愛着が湧いて、残念な部分もカバーしながら最適に運用していけるでしょう。
逆に、「とりあえずカバンになんでも入れておいて何が入ってるかわからない」みたいな人には、あまりおすすめしません。
通常の容量が18L、僕の場合はガジェットやカメラ本体+交換レンズを入れているとすぐに埋まってしまいます。
ただ30Lだと思って何でもかんでも入れていると、容量が足りなくなるし、限られたスペースがぎゅうぎゅう詰めになってきて内容物の心配もすることになります。
バックパックは性格が本当に出る持ち物だと思うので、自分の日々の運用・性格に合わせて考えるのが大切だと思います。
7,まとめ
気がつくと、かなりの文量と写真量で長期レビューをしてしまいました。
「Peak Design Everyday Backpack V2 30L」という製品は、この文量を書きたくなるほどPeak Designという気鋭の企業で考え抜かれた、毎日使う価値のあるバックパックだと思います。
手放しで全てが素晴らしいとは言えないですが、自分の機材を入れて、背負って、様々な景色を撮るために歩き回るというパートナーになってくれる製品です。
バックパック・カメラバッグはピンキリです。その中でもこの製品は高額な部類に入ると思います。しかし、最も自分の体に密着する、体の一部になるような機材だと僕は考えています。
ぜひこの記事を読んでいただいた方は、自分にあったこだわりと愛着を持ったバックパックに出会っていただきたいと思います。
これからも自分が実際に使ったものをどんどんレビューしていきますので
ぜひ他の記事も読んでみてください。
読んでいただき、ありがとうございました。
ミツハシ