最近になってやっと予約していた「メタシル」が届いた。
Twitterで話題になっていた、削らずに16kmも書けるという金属製の鉛筆。予約が始まったと思うとすぐに売り切れているが、運よく購入することができた。届いて早速使ってみた感想を紹介していく。
削らないというストレスフリー
スラスラとした書き心地と金属による適度な重み
紙につく黒鉛があまりにも薄い
薄い紙には筆跡が残る
ガジェットとしての魅力
メタシルは文房具としての側面はもとより、ガジェットとしての魅力に溢れている。
・アルミニウムの軸によるフルメタル(質感)
・削らなくていい黒鉛合金のペン先(実用性)
・全6色の豊富なカラーバリエーション(選択肢)
この三つは、まさにガジェット好きがこぞって手にしたくなる内容だろう。
鉛筆に似て非なるこの製品の魅力は、手にすることでさらに実感できる。
重さは13gと若干重め。重心はちょうど中間あたりと鉛筆に近い。
個人的には、Apple Pencilを持ったときの感覚に非常に近い。Apple Pencilは18gで、少しだけメタシルの方が短くて細い。
使う紙によって評価には差が出そう
メタシルの芯の硬度は2H相当と、かなり薄い。
実際に使ってみると、相当薄い。鉛筆だからとまずスケッチブックに描いたが、全く見えない。
正直スケッチブックに描けなかったことで相当期待はずれだったのだが、別の紙でトライしたところそれなりに描くことができた。スケッチブックの相性が異常に悪いことは伝えておきたい。
ノートやコピー用紙のようなザラザラ感のない紙ではそこそこいい書き味だ。
個人的には、スケッチブックでお絵描きするときに無限に鉛筆を使いたかったのだが、メタシルの得意分野はそこではないらしい。
薄さはどうしようもなく、メタル故に筆圧を上げても濃くなることはない。ただ紙に傷が強く残るだけだ。
消しゴムで消すこともできるということだが、かなり消しづらいという印象を持った。さらに筆圧が強くなってしまうと、黒鉛の部分が消せても筆跡の傷は消せない。薄い紙だと目立ってしまう点に注意したい。
デジタルの書き味をアナログに持ってきた
使っていくうちにどうも既視感を覚えてきた。これは、iPadやペンタブで絵を書いているような気分だ。
デジタルでは筆圧を強く必要とせず、決まった分の濃さを一定のバランスで描くことができる。もちろん芯を削ることもないし、無限に描くことができる。
紙の上を滑らせるように描くという書き味はまさにデジタルの書き味をアナログで再現していると感じた。
この製品は道具としての有用性よりも、「嗜好品としてのガジェット」と言うのが正しいかもしれない。しかし、あえて道具として使うなら?僕なら落書きに使用することをおすすめしたい。
落書きにピッタリの気軽さと書き味
メタシルは、鉛筆ほど気合を入れる必要なく鉛筆として使うことができるいい製品だと思う。すり減らないし、ゴミも出ない。そして何より、力を入れないでスラスラと描くことができる。
筆箱から出して、サラッと適当に描いて、消して。そういう気軽さが、落書きたる所以だ。ボールペンでは消せないし、シャーペンではできない横倒しの塗りつぶしもできる。使ってみることで、とりあえず手に取って描くと言う気軽さをくれる製品だと実感した。
実際に、無意識に手に取っている回数は最も多い。
実際に使うことで「あれ?薄すぎない?良くないな」「いや、これめっちゃいいわ」と評価が2回も真逆になった珍しい製品だった。そんなに高くもないこの製品、一本手元にあると病みつきになるかもしれない。