シャープペン×鉛筆の極上の書き心地。「大人の鉛筆」でワンランク上の大人な筆記体験

最近僕はペーパーレスの毎日を送っている。
全ての筆記作業はiPad Proで行っていて、メモを行うときも絵を描くときもだいたい握っているのはiPadだ。
たまにブログやDIYなどのアイディアを考えるときにこの記事で紹介した手帳とボールペンを使用している。

しかし、ボールペンではどうも納得できないのが「絵のアイディア」だ。こればっかりはシャープペンシルを使用するのが一番いい。
なぜなら今まで僕は落書きでアイディアを出していたから。学生時代は延々と落書きをし続けていた。
造形作品を作るとき、生き物の構造を勉強するとき、やはりiPadのスラスラ描ける書き味ではなくて芯が紙と擦れ合うあの描き味が欲しい。
そう思ってLOFTを彷徨って見つけたのが、「大人の鉛筆」だ。

今回はこの「大人の鉛筆」を紹介していきたい。同時に購入した「MDノートコットン」にも触れながら話を進めよう。


大人の鉛筆とは

「大人の鉛筆」は、北星鉛筆株式会社という老舗鉛筆メーカーが作るシャープペンシルだ。2011年発売。
どうやら100万本以上売れている大ヒット商品だという。
老舗鉛筆メーカーらしく、使っている素材はこだわりのアメリカ産インセンス・シダー材。使っていくほどに味わいが増すとのこと。
芯もかなり拘っていて、鉛筆に非常に近い2mmの高級国産芯だという。

老舗鉛筆メーカーによる「鉛筆に限りなく近いシャープペンシル」、と言っていいだろう。


外観と特徴

大人の鉛筆


開封写真から。
親しみやすいパッケージングでLOFTではとても浮いていた(褒め言葉だ)。

蛇腹で折った内部をくり抜いて本体が入っている。攻めたパッケージングだ。
中には熱い思いが書かれている。さすが老舗、鉛筆ファンのためにシャープペンシルを作るなんて。

こちらが本体。本当に鉛筆に金具が付いたような形だ。
持ってみた印象としても鉛筆を持っているような感覚で、なんの違和感もない。

太さは8mm、通常の鉛筆よりも1mmほど太いらしい(通常の鉛筆が7mmなのを初めて知った)。

重さは10gとシャープペンシルの中ではかなり軽い方だ。フリクションのような高機能なものでは25g程度となる。
重心は先端に近く、とても書きやすい。

このシャーペンが一番拘っているのが、この「芯けずり」だ。
シャープペンシルにしては太すぎる2mmという芯の太さ、それを削るというこのスタイルこそが「外見以上の鉛筆らしさ」を彷彿とさせる。

芯削り機の中心部分へ1cmほど出した芯を入れ、左右に回すことで芯を尖らせることができる。不自由を楽しむ余裕が「大人の鉛筆」と言えるかもしれない。

削るとこのように先端が尖ってくる。丸くなるたびに削り、鉛筆らしさを楽しみながら書いていく、もしくは描いていくのだ。

MDノートコットン

本来通常のスケッチブックを買う予定だったのだが、あたりに見当たらなかったので「ちょうどいい大きさ」「描くこと」を目的としているこちらを購入した。
金額はそこそこするのだが、その分インクなどで描くのにいいらしい。まだ試していないが、試して見るのもありだろう。
ただ、そこそこ裏に透けるような薄さのノートだ。本当にインクを使っていいのだろうか。
外の包みをなくすと、とてもシンプルでいい見た目をしている。
ロゴが主張しすぎていないことがとてもいい。まさに何を描いてもいいノートと言えるだろう。ノートサイズがちょうどいいという点もかなり評価したい。


描いてみた

実際に使ってみた感想として、鉛筆付属のBの芯がとても柔らかく、それでいて書きやすいことが衝撃的だった。
この芯を使うためにこの製品を購入するだけの価値がある。
滑りがいいのに、しっかりと芯が削れる感触がある。上質な芯と、ダイレクトに伝える木でこそなせる技だろう。

濃さもかなり良い。ただあまり長く芯を出して描けないことから、「鉛筆に変わるもの」ではなくあくまでも「鉛筆感を楽しむためのシャーペン」という位置付けだろう。
絵を描くにも字を描くにも楽しめる製品ではないだろうか。


ロマンと愛着だけでなく、実は実用性も半端ない。

この大人の鉛筆、売り出し方や名前に騙されてはいけない。実は相当な実用性に溢れた逸品だということを最後に伝えておきたい。
「絵を描くために鉛筆を持ち歩きたいけど、出先で削るのは…」みたいな人にはとてもおすすめなのだ。

鉛筆で絵を描くためには鉛筆削りがいる。さらに消耗するから鉛筆は何本かいる。しかし大人の鉛筆を使うと、上の写真のセットだけで割と書き続けられる。
特に僕みたいな「絵が本業じゃないけど、アイディを出すためにとにかく数を描きたい」という人間にはベストチョイスなのだ。
通常のシャープペンシルよりも濃く、太く、良い書き味で。最高のセッティングが整った。

シャープペンシルやボールペンでかき続けることに疲れた人は、ぜひ一度手にとって欲しい。
芯を削るひとときに、大人の余裕を楽しむのだ。そんな時にふと、面白いアイディアが生まれてくるのかもしれない。